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2016.12.02.Fri

大人であるからできること

こども食堂

子ども食堂がたくさん立ち上がる一方で、資金が回らない、人が集まらない、そもそもターゲットとする子どもたちが来ない、などの様々な事情から、2回目の子ども食堂を開けられずに、自然消滅してしまうところも急増しています。また、ご家庭の事情、ご本人の事情などもあるのでしょう。

 

お気持ち、痛いほどよくわかりますが、私個人的には、それでも、細く長くでも良いので、一度始めたからには、続けて行って欲しいと願います。3ヶ月に一回でも良いです。半年に一回でも。やめるよりは、頻度を下げてでも続けて欲しい。定食メニューが大変なら、おにぎり食堂でも良いので。

 
子ども食堂は、一度始めた瞬間から、自分たちの手を離れ、地域のものになります。地域の子どもたちのものになります。子どもたちには、子ども食堂の情報が、最初はなかなか届きません。それでもようやく届いた情報を頼りに、子どもたちは、寒空の下、手袋もつけずに、自転車に乗り、頬っぺたを真っ赤にしながら、チラシを片手に、子ども食堂までやってきます。どんなところかドキドキしながら、やっとの思いで、子ども食堂の「高い壁」をよじ登り、やってきてくれます。「子ども食堂やめました」は、そうやって集まって来てくれた子どもたちの心を、大いに傷つけてしまいます。とても大きな心の傷を作ってしまうのです。子どもたちの、地域から見捨てられた感は、大人たちの想像をはるかに超えるものがあります。こちらはこちらの事情があって仕方なくやめたとしても、子どもたちには、自分たちは、また地域の大人たちに見捨てられた、また僕たちは捨てられた、と映るのです。
 
子ども食堂は、趣味のサークル活動ではなく、地域の活動、公共の活動です。自己実現の場ではありません。始めた時は自己実現の気持ちがベースにあって良いのですが、地域に告知した段階から、地域の財産に変わります。ここが、児童福祉という分野と関わる活動の、大きな特徴です。厳しい言い方になりますが、途中でやめるなら、最初からやらない方が良いのです。
 
継続が困難だと感じたら、組織として、誰かに引き継ぐ。仲間を増やす。周りの子ども食堂の人たちに相談する。社会福祉協議会に相談する。
 
いろいろな選択肢があります。
一人で抱えず、周りの人たちを巻き込んで、地域の活動を継続させていただきたいと願います。
 
なぜなら、自分が人生の危機に陥った時に、自分の地域に根付いた子ども食堂が、自分の大切な人たちを守るセーフティネットになってくれるからです。主催者側も、子ども食堂に守られる時がきっとやってきます。自分のためでもあるのです。主催者本人も、地域の一員なのですから。
 
ターゲットとするお子さんたち、実は来てます。外見では、わからないだけです。見かけでは全くわからないだけなのです。たとえ実際に会場にまで足を運んでいなくても、1回目であっても、ちゃんと情報は届いています。2回目はもっと届きます。3回やれば、実はかなりの地域に届いています。見えないだけで、ちゃんと届いているのです。様子を見ているだけなのです。ここ、続くのかな?続くなら一度行ってみようかな、というのが「姿をなかなか見せない子どもたち」の本音なのです。時間が掛かっているだけなのです。
 
いろいろと厳しい場面に遭遇することもありますが、その厳しさは、子どもたちが日々直面している厳しさに比べれば、実は大したことはありません。困難なことにも遭遇しますが、それでも、私は、いろいろな地域で、いろいろな職種の方々に、子ども食堂を始めて欲しいと願っています。一人で始めるのではなく、地域とともに始めることで、一人の負担を大幅に減らすことが可能です。これらは、大人であるからできること、なのです。

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