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2016.12.14.Wed

今年で12回目。NPOまつり2016に行ってきました

12月4日・5日、東京都渋谷区の代々木公園で「NPOまつり2016」が開催されました。
「NPOまつり」は、市民・企業・地域、そしてNPOやNGOなどの団体が、「出会い」「語り合い」「わかり合う」ことを趣旨に、年に1度開催されているイベント。2005年に始まり、今年で12回目を迎えます。

現在NPO法人数は全国で50,000団体を超えるものの、彼らが普段どんな活動をしているのかはあまり知られていません。
このNPOまつりでは、毎回数多くのNPO/NGOが活動をアピールするために出店すると聞き、私たちチャリツモメンバーもイベントにお伺いし、多くの団体の方々にお話を聞かせていただきました。
今回はイベントで出会った中でも印象的な5団体をご紹介させていただきます。みなさん様々な領域の活動をしている5団体です。それぞれの団体が“どんな活動をしているのか”やそれに関わる人びとが“どんなモチベーションで取り組んでいるのか”など、読者の皆さんにお伝えしたいと思います。

 

 

東日本大震災・原発問題で避難された方と地域住民の交流の場

加須ふれあいセンター


埼玉県加須市で活動するNPO法人。
加須市の地域住民と、東日本大震災当時に避難してきた福島県双葉町の町民がともに活動しています。
2011年の震災とその後の東京電力の原発事故により、避難を余儀なくされた福島県双葉町の人々の多くが、加須市の廃校となった騎西(きさい)高校校舎を避難所として利用していたのだそうです。
多いときは1400人もの双葉町民が避難をしてきた加須市。今でも500人ほどの双葉町民が暮らしていて、双葉町役場も加須市内に設置されています。

加須ふれあいセンターは、加須で暮らす双葉町民の自立支援の活動をしながら、加須の住民と双葉町民が交流できる場として運営されています。
普段は400円でランチを食べられる食堂として憩いの場となったり、様々なイベントを開催してあらたな出会いの場になったりしているのだそうです。
この日はけんちん汁や焼きさんま、地元双葉の名物料理「おふかし」や「いかにんじん」のほか、双葉町民が加須市で畑を借りて育てた野菜なども販売していました。

 

双葉町民のスタッフの声

「加須のみなさんにはほんとにお世話になってんの。いろいろアドバイスもらって。お医者さんはどこ?とか皮膚科はどこがいい?とか(笑)。 地域の人とはもうお友達になってんの。埼玉に避難してきてよかったと思ってます」
「うちの息子は福島では東電に勤めていたんだけど、避難してきてこっちで別の仕事に就きました。今は加須に家を買って、こっちで暮らしていくつもりです。」

代表の富沢さんの声

「震災前は子どもからお年寄りまで、交流できる場を作るという活動をしていました。震災のときはたくさんのひとが故郷を追われ、行き場を失って、不安な気持ちのまま加須市に避難してきました。だから加須の住人の私たちががんばらなきゃと思って今の活動をはじめました。」

加須ふれあいセンター
http://kazofureai.com/

正直に言うと、時とともに、福島の関心は薄れていました。そんな中、福島から埼玉に移り住んだ方と初めて出会いましたが、地域の輪の中にしっかり入れていることが印象的でした。
代表の富沢さんの話にもありましたように、移り住んだ方が馴染めるように、地域の方々が頑張った結果だと思います。
コミュニティは自然と出来る訳ではなく、やはり向かい入れる方の努力が必要ということを感じました。(坪井)

 

 

人身売買の被害にあった少女たちのシェルター運営と自立支援

For Girl’s Happiness

年間10,000人以上の少女が人身売買の被害にあっていると言われているネパールで、人身売買被害者のための支援活動をしているNPO団体。
もともと人身売買が存在していたネパール。特に去年の大震災後、暮らしが立ち行かなくなった家庭の少女たちが、海外に多く売られていきました。
For Girl’s Happinessでは、そうした少女たちをレスキューし、暮らしを立て直すため、ネパール国内にシェルターを建設・運営しています。
シェルターでは、レスキューされた少女たちが心のケアを受けつつ、アクセサリー作りや手芸などの手仕事を中心とした職業訓練に励んでいます。
今回のイベントでは、ネパールシェルターで作られたアクセサリーの他、ラオスの女性が作ったIphoneケース、気仙沼の育児中の母親たちが作ったピアスなどを販売していました。

 

理事・君島さんのお話

「ネパールやラオスではシルクなどの質のよい素材や、細かい縫製技術があるにも関わらず、それが最終的な製品として完成されていないため、海外の消費者に直接届けることはできずにいたのだそうです。
そのため私たちの団体では、もともと持っている文化や技術、資源などを活かしながら、新しい商品として作り上げるようにしています。
このラオスのスマホケースも、もともとこの地域の人達が端切れのようなものに刺繍を施すのを見て、「試しにこのケースに刺繍をしてください」って言って持ち込んだんです。そしたらこんなにすてきな製品に仕上がりました。」

この団体に誘われ、一般企業から転職してきたというアクセサリーデザイナーの女性に、この活動に参加した理由を聞いてみました。

チーフデザイナー・小石さんのお話

「現地には、いいものやいい技があるのにそれを活かせないでいる。だから、自分のデザインで売れるものを作り、彼女たちを経済的に支えながら、成長も支援する。それってデザイナーとしてすごくやりがいのある仕事だなって思ったからです」

人身売買をされた女性が戻る場所がないケースがあるということが印象的でした。人身売買というと誘拐されて連れ去られて・・・・というイメージがありますが、女性の地位が低い地域だと、家族によって売りに出されてしまうケースがあるそうです。そうすると、元の場所に戻ることなんてできず、シェルターが必要・・・・という話に納得しました。(坪井)

For Girl’s Happiness
http://www.fgh.or.jp/

 

 

東京・原宿の犬猫シェルターと里親探し

Tier Heim KOKUA(ティアハイム・コクア)

原宿に拠点を置き、動物愛護センターや虐待・飼育放棄現場などから身寄りのない犬たちをレスキューして、里親を探す活動をしているNPO団体。
原宿駅から徒歩圏内のビルの1階に保護犬シェルターを構えている彼女たちに、都会のど真ん中で活動する目的を聞いてみました。

 

代表理事・山田さんのお話

「本当は東京から離れた土地などへ移れば、もっと広い場所を借りて、保護してあげられる頭数を増やせることもわかっているんです。
でも、私たちの活動の目的は、虐待や飼育放棄、殺処分から犬を保護することだけではなく、〝新しい家族とご縁を繋ぐこと〟そして、日本の動物福祉問題の啓発活動を行うことだと思っています。
だからこそ人が集まるこの場所で、1人でも多くの人に知ってもらいたいと思っているんです。
もちろん、運営は大変です。寄付だけでは賄えないのが現実です」

原宿の一等地に保護シェルターを持つという覚悟に心を打たれました。NPO・NGOはどうしても、費用を考えると、一等地や目立つ場所に事務所を置くことが難しいです。しかし、「社会的課題をより多くの人と共有する」というミッションに立ち返ると、人がたくさん集まる一等地に出ていくことは非常に有効なことだし、実は必要なことだと思います。
費用は厳しいものの、「やらなければいけない」という言葉は印象的でした。(坪井)

Tier Heim KOKUA(ティアハイム・コクア)
http://tierheim-kokua.aloha703.com/

 

 

宮城県山元町で復興支援

未来に向かって助け合い

宮城県山元町で震災復興支援の活動をしているNPO団体。
津波で海水をかぶって作付けできなくなった土地を借り受け、約5000本の桑を植えて桑茶を作り、地元の雇用を作っているのだそうです。

販売している桑茶の試飲をさせていただきましたが、癖がなく、飲みやすい、おいしいお茶でした。
桑茶はノンカフェインでカルシウム豊富なんだそうです。

高校生の方がボランティアをしていたことが印象的でした。東北大震災は悲劇ですが、ボランティアを通じて、外部とその地域の方々の縁が繋がったことも事実です。震災から5年が経過してもその縁が続いていることは未来に向けての資産だと感じています。ボランティアにいたずらに行くなという意見もありますが、こういったポジティブな面も見ていきたいです。(坪井)

未来に向かって助け合い
http://tohoku-fukkou.holy.jp/

 

 

海外及び日本国内での人道医療支援

世界の医療団

フランスで発足した人道医療支援に取り組む認定NPO法人。医療・保健衛生分野の専門スタッフを中心に派遣し、国内のみならず世界各地で活動。
 

海外での活動

口唇裂、口蓋裂、多指症などといった先天性の奇形や、事故、暴力の犠牲などの後天的な機能および外見上の障害を抱えていながらも、適切な医療を受けることができない途上国の人々に無償で形成外科手術を行う「スマイル作戦」など。

日本国内での活動

ホームレス状態にある人のうち、約6割が何らかの精神症状を持っている現状に対し、とりわけホームレス状態の人の多い東京都池袋において、ホームレスの医療・保健・福祉へのアクセス支援などをさまざまな団体と連携して行う「ハウジングファースト東京プロジェクト」など。

世界の医療団が日本でも活動していることが驚きでした。数年前までは、海外のNGOが日本国内の問題を解決しているケースは少なかったのですが、日本もそういった状況になったということに複雑な思いでいます。
また、ホームレス問題は、どうしても自己責任というイメージが先行していますが、約6割が何らかの精神症状を持っているという事実を見た時に、今までと同じ見方は出来なくなります。(坪井)

世界の医療団
http://www.mdm.or.jp/index.html

 
 

あとがき

今回で12回目のNPOまつり。普段はなかなか目にしない団体を知ることができました。
ただ残念なのは、NPOまつりの情報提供があまり活発になされていない点です。
特にインターネットを活用したプロモーションに関して課題が大きいように思います。
イベント自体はとても有意義なものかと思いますので、運営側が工夫を重ね、もっと多くの人にイベントの存在自体を知ってもらえたらいいなと思いました。

NPOまつりWEBサイト
http://matsuri.npgo.net/

今回ご紹介した団体に興味を持ったら、ぜひ各団体の活動のフォローしたり、イベントに参加したりしてみてください。

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