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コラム:移住フェアに参加して考えたこと

2月某日、えひめ担い手職フェアに参加をしてきた。イベントを知ったきっかけはfacebookの広告であった。ホームページの完成度の高さ、facebookに広告を出すという合理的な宣伝の仕方。「これはただのお役所仕事ではない、運営者に広報の先駆者がいるのだろう」他の地域で移住政策に悩んでいる話を聞いており、参考になるものがあると思い申し込みをした。

 

まず申込のアンケートが細かかった。ホームページには「途中入退室OK」「子供連れ歓迎」とあり敷居が低かった分、面食らった。アンケート内容は「どんな企業が希望か」「どんな働き方をしたいか」「愛媛に移住する際なにを知りたいか」等々、必須の回答については選択式であったが自由記述欄も存分に設けられていた。参加希望日2日前に申し込んだからか、イベント事務局からメールで「満員のため日程を変更して欲しい」旨の返信があった。

 

日程を変更し、当日イベント会場に向かった。表参道駅最寄の施設が会場ということもあり個人的にテンションがあがった。会場の建物入り口に案内板を持った方が一人、外階段を登り続けると会場に到着。受付で名前を言い名札と資料を受け取った。名札には事前アンケートで選択した知りたいことが明記されていた。(私は「愛媛県へのとけこみ方」を選択)

 

会場は80人程度が入る会議室程度の大きさ。外周を企業とイベント関係者で取り囲む形で、中に参加者用のいくつか小さいテーブルとみかん箱。(愛媛を感じてもらうために椅子をあえてみかん箱にしたと説明有)小さいテーブルにはみかんや愛媛県産の飲み物が置かれていた。コンシェルジュという方に席まで案内をしてもらい、当日の流れの説明をうけた。1テーブル2~3組に対して一人コンシェルジュがつく仕組みのようだった。参加者の集まりが悪く、開始時間を少し遅らせてのスタート。愛媛県の紹介、移住者の方の話などで40分程度。それからすべての各企業、1分弱のVTRと今日参加の代表社員の一言で簡単に紹介。その後、参加者は各企業ブースにいって詳しい説明を聞きにいく。

 

事前アンケートを元にあらかじめ訪問企業を設定されていることに驚いた。企業紹介や会社概要仕事内容を見て変更は出来たが、気軽に参加している身をしては重く感じた。

 

参加者は30代40代で夫婦や子供連れの参加者も少数だがいた。やはり愛媛県出身者が多かった。この日の参加企業は福祉・農業サービス・飲食・メーカー等。企業ごとに分かれての説明は20分×4回あった。「何をしている会社か」「どんな仕事で人材を求めているか」「通勤手段・時間」など。私が聞いた企業(メーカー)は残業があることも包み隠さず話してくれた。愛媛県にある企業は全体的に始業時間が早いとのこと。(8時スタートが大半)イベント冒頭の愛媛県の説明では「通勤時間の短さや家に帰る時間の早さ」をアピールしていたが、実際は残業をして夜7時~8時に退社し、帰路につく。

 

始業時間が早い分勤務時間としては、都内の一般的な企業と変わらない。朝が早いのと通勤時間が短い分、家に比較的早く帰れるだけのはなしだ。もちろん企業や配属された部署により異なるだろう。それは都内でも同じこと。給与は東京圏よりは下がることは冒頭の説明でも企業ごとの説明でもはっきりと話していた。けれども物価が安いことはアピールしていた。併設された職業センターで家賃相場も賃貸情報誌を参考に見せてもらった。松山市内の交通の便がよいところで2DKで駐車場代込で6万程度。
車の維持費を月3万とした場合、住居費で9万程度。都内で車をもたない場合とそう変わらない。物価が安いとはいえ、都内でも安いスーパーで買えば済むはなし。食料品以外の書籍等の物価は全国一律だ。

 

愛媛県としては現在自治体から住宅補助などはない。愛媛県に縁もゆかりもない人からすると移住へのメリットは感じられなかった。

 

今回、このイベントの完成度は高かったといえる。しかし移住を決断するにいたるかどうかは、参加者が何を優先したいかによるだろう。
自然あふれた環境で子育てしたい、自然災害が少ないところに住みたい(地震回数は関東の10分の1)、
やっぱり愛媛に帰りたい、そんな人々は本当に愛媛県はよい場所だと思う。

想定していたより県内に企業数は多いので職は見つかりやすそうだ。車通勤が当たり前なので通勤は都内より楽だろう。なお、イベントを開催した経緯は松山市の人口減にあったとのこと。これまでは愛媛県内の人々は松山市に集中する傾向があり松山市内の人口が減ることはなかった。来年度も任期つきで移住政策等を担当する職員を募集するという。県全体で危機感をもって取り組む姿勢は同様の悩みを抱えている都道府県や自治体は参考にするとよいだろう。

 

移住をもっと推し進めるには個人的には以下のようなことを提案したい。
・「住宅補助や提供」
・「ひとり親世帯や子供のいる世帯への優遇(引越し代の負担や車の提供等)」
・「民間企業に対してクラウド等を利用した在宅勤務を推奨」
人口減を危惧してるのであれば、子供のいる世帯の移住を切実に望んでいるはずだ。
身ひとつで仕事が始められれば現実的に移住を考える人々が増えると思います。

 

イベントの最後にお土産を頂きました。
最初から最後まで丁寧に対応していただき感謝しております。
お土産のみかんとてもおいしかったです。
今年は愛媛県を観光したいと思います!

参加したイベント:えひめ担い手職フェア

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