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「福島県新地町でのボランティア経験」から見つめる”これからのボランティア”

ボランティアもそうなのですが、地域の結びつきというのが非常に大事だと思います。震災があった際に、どう力を合わせて復興していくのかという地域の元々のつながりがあるかどうか。僕がボランティアに行くだけが出来ることではないと言ったのが、寄附という選択肢も勿論あるのですが、元々の自分が住まれている地域の中で出来ることがあるのではないかと。

 
 

-寄附や観光などを通して応援するという選択もあるかと思います。例えば、寄附をしようとする際にどのように選択すればいいのか。西川さんの視点でコメントを頂けないでしょう。

 
赤十字の話があり、「どこに寄附をすればいいのか」というのは共通の関心だと思います。
自分がお金を寄附するとなった際に、名前を聞いたことがない団体だったら不安だと思います。だけど、昔はそれでどうやって判断したらいいのかという状況だったと思いますが、今は、どこの団体も活動をブログやウェブで公表されています。ある程度、こういうことにお金が使われたらいいなと思える団体を見つけて寄附をするのがいいのではないかと思います。
 
 

-福島の新地町では有名な団体以外で活動をされている団体はいらっしゃったのでしょうか

 
ほとんどいないです。町自体も小さな町なので、元々あった社協さんが先頭に立たれて、同じようなビジョンを持つ団体がいらっしゃったら一緒に何かやろうと言っていました。
 
 

-最後になります。このような災害が次に発生した場合に向けて、ボランティアへの考え方が見直しが必要かと思います。どのようなスタンスでボランティアに参加するのがいいのかをお聞かせ頂けないでしょうか

 
勿論、多くの方がボランティアを身近に感じるようにはなったと思います。ボランティアもそうなのですが、地域の結びつきというのが非常に大事だと思います。震災があった際に、どう力を合わせて復興していくのかという地域の元々のつながりがあるかどうか。僕がボランティアに行くだけが出来ることではないと言ったのが、寄附という選択肢も勿論あるのですが、元々の自分が住まれている地域の中で出来ることがあるのではないかと。そこで色々なつながりが生まれたら、もしその地域で何かが起こったら、そのつながりが生きてくると思います。ボランティアも勿論、力は必要とすると思いますが、自分たちでもこういうことが出来ると言えることが支援の一つなのではと思います。

 

あとは、何かをやってやるんだという気持ちは僕も勿論あるのですが、どうしてもボランティアって目の前のあることに目線が集中してしまう。例えば現場に行って瓦礫がたくさんあったら、その瓦礫をよし片付けてやろう!というようになるのですが、その先にある住民の方の気持ちをいつでも忘れないでほしいと思います。その瓦礫はもしかしたら、住民の方のものすごい大切な何かが含まれているものかもしれません。そうしたら現場をあてがわれたからと言って、そこを綺麗にするのが最優先かというと違います。家はなくなってしまったけど、「一緒に遺灰や思いでの品を探す」というように相手の立場に立って一度考えてみる、その上で自分なりに出来ることを探してみる。今後の支援で大事になるのではないかと思います。

 

インタビューイー
西川昌徳 ( にしかわまさのり )さん 
「自転車世界一周」旅人  

2007年7月、中国上海から海外自転車旅をスタート。テントで寝泊まりしながら、自分の知らない土地を走る毎日。「治安」「事故」「道路状況」「天候」など不安要素を挙げればきりがないけれど、そんな状況があるからこそ自分にとっての旅は「生きていることを実感できる」日々でもある。そして、歩みの遅い自転車旅だからこそ見えてくる世界がある。出会える人がいる。いつしかそんな自転車旅は自分にとって「日常」になっていった。こまれまでの旅では、4ヶ月間にわたる中国四川大地震ボランティアをはじめ、旅をしながらインドマザーハウス、ネパールの山間部教育支援など各国のボランティア活動にも従事。ネパール・インドでは、旅の資金のため、自身オリジナルブランドの洋服を製作、ブログ上で販売。  
またバイヤーとして雑貨、アンティークなどの買い付けも行った。「これからは職業=旅人として旅を続けながら、もっと多くの活動に関わっていきたい」との思いから2009年12月、2年半に及ぶ旅を休止して、インドから日本に一時帰国。(これまで2年半でアジア8カ国を旅し、走行距離は17000km)現在は日本各地で写真展、講演活動を行う。(小中学校、図書館、ギャラリーなど)2011年春、前回旅を中断したインドから「自転車世界一周」の旅を再開予定。

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