【前回までのあらすじ】


前回、前々回とHIDEについて特集をしてきた。前々回は『MISERY』の誕生秘話、前回は真由子さんとHIDEが出会うまで。そして今回はHIDEと真由子さんが出会ってどのようなことが起きたのか?
そこにフォーカスしていきたい。
【その後どのようになっていったのか】
東京ドームライブ後の打ち上げに参加した真由子さんであったが、その後も手紙でのやりとりやHIDEは何度も真由子さんのもとを訪れHIDE自身も忘れていたものを思い出し、真由子さんも励まされる関係となっていった。
そして真由子さんは病状の回復の為、骨髄移植をすることになる。骨髄移植をするにあたってドナーを探さなくてはいけない。血縁関係(父母兄弟姉妹)だと25%、非血縁関係だと数百万分の1と言われている。
真由子さんの場合は姉から骨髄移植をすることになった。2日間に渡って大手術である。手術前HIDEから励ましの電話があった。
「俺がいるから頑張れ」
この言葉はどれほど勇気付けられたことか。あとは拒絶反応が最大の不安要素であった。しかし肺と心臓に水が溜まる免疫不全が起こってしまう。絶体絶命とはこのことか。
この時、最後にHIDEの声を聞かせてあげたいという思いでHIDEの事務所に電話をする。そして危篤状態の真由子さんのもとに到着しHIDEがガラス越しのインターホンで呼びかけた。
「早くよくなんだぞ、がんばれ!」「今度出るCDのラベルに真由子の名前を印刷するんだ」「9月に千葉でイベントを開くんだ、これは真由子のためのお祭りなんだから真由子が来ないと始まらないじゃないか」
HIDEは2時間以上もガラス越しに呼びかけた。真由子さんは危篤状態で懸命に闘っている。
そしてこの日の夜、奇跡的に意識を取り戻しこの日を境に病状は回復していく。退院することもができた。思いが伝わり奇跡が起こったのだった。
HIDEはこれを機会にドナー登録をしに行ったのだったがその後、勝手に開かれた記者会見に出席することになる。その場での記者会見は何事もなく終わらせるが帰宅後、弟でマネージャーである松本裕二士さんはHIDEから怒られる。
「これじゃ、売名行為じゃないか」と。
HIDEは売名をしたいわけではなかった。ドナー登録をすることによって、骨髄バンクをすることによって助かる命があるのだと知ったからこそドナー登録をしたのだ。
【チャリティについて考えてほしいこと】
人を励ますという行為、ドナー登録をするという行為、これはHIDEが特別だからできた?
確かにHIDEは知名度があり、音楽という武器を持っていたかもしれない。しかし真由子さんとって励まされる人はHIDEだったということに過ぎない。これがまた別の人だったらHIDEではないのかもしれない。その人にとって励まされて嬉しい人は様々だ。ということは、自分自身は誰かの支えになっているということだ。支えることも支えられることもどちらも必要不可欠なのではないか?
実はチャリティって知らないうちにしていたり、されていたりする。
それはHIDEのように形として生きていなくても。
これは今の世の中が求めていることではないのか?やっとHIDEの思いに世の中が追いついたのだろう。


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