ようこそ、ソーシャルスタンドへ

今年も開催!例年最大規模、国連UNHCR難民映画祭2017/難民たちのリアルを観る・知ることから一歩踏み出す

世界中でますます深刻化しつつある難民問題。日本でも度々ニュースに上がるが、そのリアルな姿に日本に住む私たちが触れることは難しい。

国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所及びUNHCRの日本における公式支援窓口である国連UNHCR協会の主催により、難民問題啓発を目的に、世界中から集めた難民を取り巻く現状をリアルに感じることのできるドラマやドキュメンタリー映画を上映する「国連UNHCR難民映画祭」は、2006年より、毎年開催されてきた。

そしていよいよ、12回目を迎える本年の国連UNHCR難民映画祭2017は、従来最大規模となる全国6都市にて、2017年9月30日(土)-11月12日(日)に開催する。

国連UNHCR難民映画祭2017のメインビジュアル

映画祭の事前申込が開始となった8月1日に、日本記者クラブで記者会見とプレ上映会が開催された。世界の難民を取り巻く状況やUNHCRの活動、今年の難民映画祭の特徴について説明がなされた後、本年の上映作品のひとつになる『シリアに生まれて』が上映された。日本初上映となるこの作品は、故国シリアを追われて難民となり、見知らぬ土地で生き抜こうと苦闘する7人の子ども達を描いたものであり、ニュースでは想像もつかない生々しい現実が伝わり、衝撃のある作品となっている。

「シリアに生まれて」のワンシーンから

UNHCR駐日代表のダーク・ヘベカー氏は日本語による挨拶の中で、本映画祭の連年開催を「誇りに思う」ことと、日本の皆さんの難民問題に対する関心の高さを表しているのだと賞賛した。また、本映画祭開催の意図として、リアルを記録したストーリーを通じて「難民の立場に立って想像して頂きたい」と述べた。理解が深まることで、支援も更に増えるだろうと期待を寄せた。国連UNHCR協会事務局長の星野守氏もまた、本映画祭への来場が現実でアクションを起こすきっかけ作りになれたらいいと述べた。

国連UNHCR難民映画祭2017では、全国6都市で全13作品が上映される。そのうち日本初公開のものや、各映画祭の受賞作品も多く、様々な角度から難民問題の現実を届けている。今年の応募作品の特徴として、シリアに関するものが多いことと、ジャーナリスト以外に一般市民が自分のスマートフォンによって撮影した作品が多いことを、国連UNHCR協会広報担当の難波紘子氏が挙げた。

また、一般参加の上映イベントの他に、学校パートナーズである27の高校・大学でも上映イベントの開催が予定されており、未来を担う若い世代の関心を喚起することが期待されていると、同氏が紹介した。

記者会見とプレ上映会の様子

質疑応答の時間に、「現状を知るだけに留まらず、若者としてどう貢献できるか」という質問に対し、ヘベカー氏は、確かに日本に難民は多くないが、誰にでもできる支援があると答えた。ニュースを追うだけでも、理解をしようとするだけでも、サポートになる。更に、ネット上のタグ付けキャンペーン(#WithRefugees)に参加することで難民の処遇改善を呼びかけたり、少額の寄付やボランティア活動をしてみたり、要らなくなった服をユニクロなどを通して難民に寄付したりするなど、できることはたくさんあると紹介した。

また、「あれだけ事件が起きたにも関わらず、なぜドイツは未だに難民に対してマイナスにならないのか」という質問に対し、ドイツ出身のヘベカー氏は、ドイツはやや特殊なケースでもあるが、難民が引き起こした事件は稀なケースであり、圧倒的多数の難民は現地の人と変わらない普通の生活を送っているのだと述べ、メディアの報道が稀なケースを過剰に見せているのだと指摘した。

質疑応答に答えるヘベカー氏

ニュースや報道に惑わされず、難民たちのリアルを知るためにも、今回の国連UNHCR難民映画祭2017に足を運ぶ価値が十分にあると言えよう。そして、観る・知ることにより、次の行動に繋がるきっかけが手に入るのかもしれない。

「国連UNHCR難民映画祭2017」基本情報
主催:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所/特定非営利活動法人国連UNHCR協会
今年のコンセプト:「観なかったことにできない映画祭」
開催期間:2017年9月30日(土)-11月12日(日)
開催都市:東京、札幌、名古屋、大阪、福岡、広島
8月1日より申込開始、入場無料
ホームページ:http://unhcr.refugeefilm.org/2017/上映作品:全13作品、日本初上映多数。
詳しくは、上映作品(http://unhcr.refugeefilm.org/2017/movies/)。
上映日程:詳しくは、スケジュール(http://unhcr.refugeefilm.org/2017/schedule/)。
上映会場:詳しくは、会場案内(http://unhcr.refugeefilm.org/2017/venues/)。
参加方法:事前申込+抽選制。
詳しくは、お申し込み・ご入場について(http://unhcr.refugeefilm.org/2017/admission/)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です