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イベントレポート:【3月1日】 途上国のトイレ事情を通じて、トイレについて真剣に考える2時間

※この記事は、【3月1日】 途上国のトイレ事情を通じて、トイレについて真剣に考える2時間のレポートになります。


イベント内容は以下になります。

イギリス発祥のWaterAidは、「安全な水と衛生へのアクセスを改善することによって、人々の生活を変えていくことを目指す国際NGO」。現在は主に途上国など世界中でトイレの普及活動を勧めている団体です。

世界では未だ全人口のおよそ3分の1にあたる23億人もの人々が、清潔なトイレのない環境で暮らしています。 汚染されたトイレで用を足したり、そもそもトイレすらなく、屋外で隠れて排泄をしなければならない状況は、周囲に蔓延した病原菌による下痢や感染病の危険と隣りあわせの環境でもあります。

 

事実今でも1日900人もの子どもたちが下痢が理由で命を落としているのです。 このイベントでは、立花さんによる世界のトイレの普及状況などのお話しや、WaterAidのオリジナルワークショップを通じて、
・トイレがないと何が起こるのか?
・そもそもトイレってどのような役割を果たしているのか?
・今後のトイレはどうあるべきか?
など、普段日本ではあまり意識されないトイレの大切さをみなさんと一緒に考えていけたらと考えています。


途上国のトイレ事情を知る前に、改めて、特定非営利活動法人wateraidのスピーカーの方により、トイレについて考えるワークショップを実施して頂きました。ワークショップの構成は2つのパートで構成されています。

1.クルーズに乗っていた際にクルーズは故障。遭難をしている中、無人島を発見。その時に、船内にあるものから何を持っていくか?
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ここでは、上記の状況の中、船内にあるもののカードが配られ、その中から何を無人島に持っていくかを議論。持っていける数に制約がある中で、何を選ぶかによって、非常時におけるその人の優先順位を垣間見ることができます。カードの中には、「携帯トイレ」が含まれており、普段当たり前になっていて考えることがあまりない「トイレ」について、やっぱり重要だよねという議論になっていきます。

2.体育館に閉じ込められた、体育館にあるものの中で、いかにトイレを作るか?
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トイレの重要性について改めて気づかされた中で、仮に、20人で体育館に閉じ込められ、そこで数日間を過ごさなければならない、食糧などの生活に必要なものは揃っているが、トイレだけがない・・・・という状況に置かれた場合、どうするか?という問いです。

この議論を通じて、意外に、トイレが様々な機能を持っていることに気づきます。
・トイレで処理しなければいけない排泄物をどこに保管するのか
・安心して排泄ができるように、プライベート空間をいかに維持するか etc

安心してトイレに行くことができるというのがとても重要な価値あることだと再発見するワークショップでした。

上記のワークショップを受けて、改めて、途上国のトイレ事情についての話になります。ここでは、内容の一部をご紹介します。

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人間の排せつ物を安全に処理する衛生設備は、健康で満足な生活を送るために、欠くことのできないものです。ところが、23億人 ― 世界人口のおよそ3分の1 ― の人々は、適切なトイレがない環境で生活しています。
 安全で清潔なトイレがどこにもない地域に暮らす人々は、病気にさらされ、プライバシーも人間としての尊厳もない状態で排せつせざるをえません。排せつ物が野外に捨てられる地域では、病気の感染も早く、水源も汚染されてしまいます。 女性は日が暮れるのを待って、茂みや人目につかない場所に用を足しに行かなければならないことも多く、そうした場所で襲われたり暴行される危険もあります。
衛生設備を改善すれば、健康や生活の質を向上させ、貧困を減らせることが分かっています。しかし、さまざまな事情から、衛生設備の普及は遅々として進んでいません。
●政治的意思と制度的責任が欠如している
●衛生環境の改善は容易ではなく、人々が習慣を変える必要もある
●健康上のメリットは、目に見える効果がすぐには現れず、必ずしも理解されるとは限らない
●最も貧しく社会から取り残された人々は、発言力がなく、衛生設備を改善する資金もない場合が多い。
ガーナの農民であるジョン・アバンギャが、安全な衛生設備がないことによって生じる問題を話しています。


 

様々な話の中で、私が最も印象に残っているのは、トイレがない所においてトイレを使うためには、人々の生活習慣自体を変えていく必要があるということです。トイレが出来ても、維持管理されずに、放棄されてしまったり、使われなくなってしまう。

トイレが当たり前の日本では有り得ない話ですが、インフラだけ整備すればいいという訳ではないことに、トイレを普及させていく難しさがあることを感じました。

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