特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパンが2017年5月14日、クラウドファンディングの支援者に対し活動報告会を行った。
同法人は、途上国37か国(2017年5月時点)で水と衛生に関するプロジェクトを実施する団体(http://www.wateraid.org/jp/who-we-are)。安全な水を供給し、衛生設備と衛生習慣を改善することで、世界の貧しい地域に暮らす人々の生活を変えることを目指す。
今回の活動報告会で話されたのは、同法人が実施したプロジェクト「月経のたびに学校へ行けなくなるインドの女の子を救いたい!」の成果。このプロジェクトは、インドの貧しい農村地域であるウッタル・プラデシュ州の学校数校に対し2014年から行われてきた。

下記、現地の課題と、クラウドファンディングの資金を使用した活動を簡単にまとめる。
【課題】
*男女共通の課題
・トイレの数が少ない(例えば、学校で男女合わせて約350人の生徒に対しトイレが一つ)
・学校にトイレを作ったとしても、きちんと管理ができず利用できない状態になってしまう
・手洗い場がないので健康状態が改善されない
など
*女の子特有の課題
・トイレが男女別に分かれていないために、月経の時に男の子にからかわれてしまう
→月経のために欠席・早退をしてしまう
・月経について話すことはタブーだと考えられている場合が多く、正しい知識がない
・月経の度に家を出ることを禁じられ、学校の勉強についていけなくなる
など
1)衛生設備建設(不足している手洗い設備や生理ナプキンを安全に処理するための焼却炉)
2)月経衛生教育セッション実施(6か月の間、週に1回実施)
3)教員・衛生習慣クラブへの衛生教育事業
4)手洗いキャンペーンを実施プロジェクトの詳細は、こちらを参照くださいませ。
https://readyfor.jp/projects/wateraid_toilet
同プロジェクトでは、衛生設備を建設するだけでなく、同時に教育事業を行うことで衛生習慣の定着や月経についての理解を図った。女の子に知識を伝えるだけでなく、男の子に対しては「女の子がどんなことをされたら嫌な気持ちがするか」なども指導。すごろくに似た現地のゲームなどを取り入れるなど、楽しく学ぶ工夫がなされた。
活動報告会の場では、「女の子の欠席や早退が減った」「教員の離職率も改善した」などの成果が共有された。「学校で身に付いた衛生習慣を子どもたちが親に伝え、地域みんなに定着していければ理想的では」といった意見が参加者の間で交わされるなど、盛り上がりを見せていた。
コメントを残す