社会貢献やチャリティを組み込み、商品やサービスを訴求するマーケティング手法は、cause related marketingと呼ばれる。
1台あたり10ドルが世界エイズ・結核・マラリア基金に寄付される「赤いiPod nano」や乳がん撲滅のための「ピンクリボン活動」などが代表例である。しかし、企業も社会もwin-winの関係を築く可能性があるcause related marketingにチャレンジする企業はまだまだ少ないのが現状である。
そんな中、今年の4月から、ポッカサッポロが取り組んでいるゲロルシュタイナーのキャンペーンがある。「チャリティ」をテーマとした、キャンペーン、「fastingcharity」である。
ゲロルシュタイナーは120年以上の歴史を持つドイツで最も飲まれている
※1カロリーゼロの天然炭酸水です。高硬度(1310mg/L)でも飲みやすくバランスの良い味わいです。
またカルシウムやマグネシウムなど天然ミネラルも含んでいるので、ミネラル不足になりがちな忙しい方やダイエット中の方にもオススメです。
*1:出典元:2015年ニールセン調べ
このキャンペーンは、ゲロルシュタイナーでファスティングに取り組む様子をSNS(instagram、twitter)にハッシュタグ【#fastingcharity】をつけて投稿すると、制限した食事の分が途上国の女性支援(中東やアフリカ)を行う国連WFPに寄付されるというもの。
現在、先進国ではFastingやダイエットなど食事制限をする女性が大勢いる一方で、途上国では5億人近くの女性が食事に困っている状況があることが今回のキャンペーンの背景になっている。
Instagram上には、以下のような投稿がアップされています。
Hinano♡さん(@hinanoyoshikawa)が投稿した写真 –
instagramのコメントには、
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「あー可愛い♡♡途上国の女性支援とは素敵なチャリティー企画ですね◡̈♡」
「投稿してチャリティー参加しました(^O^)ファスティングやってないしゲロルシュタイナー買ってないけど、気持ちだけでも♩」
「fasting charity て、はじめて聞きました!ダイエットして寄附ていいね。私もしてみようかな、、、」
「SNSに投稿したら途上国の支援になるのだって。どんなシステムでチャリティーされるのかさらに知りたいな。」
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などのポジティブなコメントが多数、挙がっている。また、今回のプロジェクトを通じて10万食の寄付が既に行われている。(2016年7月6日時点)
cause related marketingとして一定の成果を上げていると言えるのではないかと考えられるが、実際のところはどうなのだろうか?今回のキャンペーンをブランドマネージャーとして担当しているポッカサッポロフード&ビバレッジの深野さんに、キャンペーンの経緯や反応についてお伺いすることができた。
“自分がやっている健康にいいこと&美容にいいことが社会貢献につながる”
「ゲロルシュタイナーを定着させていきたいという背景の中で、ユーザーにより特長を理解してもらうことが必要でした。ゲロルシュタイナーは、他の天然炭酸水と比較して、ミネラルやカルシウムが豊富にあります。
同時に、ターゲットとしている30~40代の女性の方で体の中から綺麗になりたいと考えているユーザーが多く、手軽に胃腸を休ませることでダイエットや健康を促進するファスティングをされている方が多いということがリサーチで分かってきました。ファスティングを実施する上で、不足しやすいミネラルやカルシウムを多く含むゲロルシュタイナーは、ファスティングの水分補給するものとして効果的と言えると考えました。
そこで、ゲロルシュタイナーをファスティングに活用してもらう為に、どのようなきっかけを提供するか?そのきっかけとして注目したのが、ターゲットが潜在的に抱いている「社会貢献をしたいけれど機会がない」という気持ちでした。
「ファスティングをして制限した食事が、困っている誰かの食事に繋がる」となれば、ファスティングをしてみよう、その際に、ゲロルシュタイナーを使ってみようという流れを作れるのではないかと考えました。」
“地球や社会を考えていくブランドとして育てていきたい”
「開始してみて、まず、多くの著名人の方にご賛同頂けたことが良かったと思います。Instagramやtwitterでこのキャンペーンを認知してもらうきっかけが出来たと思っています。そのような著名人の方が参加しているのでやってみようという方も多いです。ただ、それだけでなく、社会貢献になるからと自発的に取り組んでいらっしゃる方もかなりいらっしゃることに驚いています。このキャンペーンがきっかけでファスティングを初めてやってみたという方や海外から参加してくれた方もいましたし、一定の評価は得られているかと思います。」
「まだ来年のことは決まっていませんが、このように社会に貢献することをやっていくことはブランドとして必要だと思っています。こういう企画をした際に、どこかからネガティブな反応があるかもと思っていたが、実際にはポジティブな意見や反応が多かったのが印象的でした。しっかりとこういった活動に理解がある方が増えているのだなと感じています。そのような消費者の方の感性に応える形で、ブランドに付加価値をつけてロイヤリティを高めていく、地球や社会を考えていくブランドとして育てていきたいと考えています。」
インタビューを通じて印象的だったのは、cause related marketingを最初から実施しようと生まれたキャンペーンではなく、消費者の感性の変化に応えていくという行動の結果、生まれたキャンペーンだということ。消費者一人一人が社会に関心を持つことで、企業が提供する商品・サービス・キャンペーンがより社会に貢献しようと動いていく可能性があることを示唆しているのではないだろうか。
「fastingcharity」の取り組みは2017年3月まで実施されるので、引き続き、動向を注目していきたい。
Fastingcharityの公式ホームページはこちら
http://fasting.pokkasapporo-fb.jp/
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