ようこそ、ソーシャルスタンドへ

「2年目の支援、これから大事なこと」

※このインタビューは、2012年4月26日に掲載したものの再掲になります。

震災から1年、多くの方がボランティアや寄附を通して、復興へ貢献しようとしてきた。その中で、現在のフェーズが、「未だ支援が必要なのか」、「必要であればどのような支援が必要なのか」ということはあまり整理されて伝えられていない状況にある。RCF復興支援チームは、被災地の情報を分析し、俯瞰的に現地に求められていることを把握、その情報を基に支援活動を続けてきた。「未だ支援が必要なのか」「どのような支援が必要なのか」という根本的な問いについて、インタビューを通じてお伺いした。

3年が一つの区切り。それまでに自立出来る環境を作ることが必要

-俯瞰的な話になりますが、どのような順番で復興を進めればいいのか?という問いがあるかと思います。今、被災地はどのような状況なのでしょうか

このタイミングは生活再建期から復興支援期に変わるポイントだと考えています。そもそも復興までに3段階あります。当初、地域が破壊されて「命を救う」、「避難所を提供する」、「避難所の運営をきちんとする」etcの緊急支援期が6月末までありました。その後、仮設住宅が出来始めて皆さん移動されて生活を落ちついていかせる。段々と仕事を見つけ始めるというのが生活再建期になります。

そしてここからは復興支援期になります。仮設住宅から引っ越しをされるのは来年になるのですが、もう引っ越しをされることと仕事を探すこと、そしてコミュニティの再生が必要となるフェーズですね。

今回は阪神淡路大震災以上にコミュニティが丸ごと被災をされていて、移転を余儀なくされるケースもあります。福島も勿論ですが、阪神以上にコミュニティがズタズタにされています。そのコミュニティをどのように再生させるかがこの3年間の急務です。3年としている理由は、政府・行政の支援が主に3年が目処とされているからです

仮設住宅も主には2年間(2012年4月、1年間延長が決定)、緊急雇用も3年間になります。建設系中心の企業の復興需要も同様。NPOも3年間と銘打っている所が多く、3年くらいが一つの区切りにならざるを得ないということです。つまりはその3年間で東北の方のみで自立出来るような環境になっていかなくてはいけない。これから3年間で支援がなくなっても東北で自立出来るようにすることが全体像になります。

復興を語る言葉は、地元の方々が主語になっていないとおかしい

一つお伝えしておきたいのが、1年目の境目で大きく変わらなければいけないのは、今までは外からの支援であったということです。NGOやNPOが入ってきて彼らが活躍する、外から義捐金を通じてお金を流していく、あるいは政府からお金を流していく。

これからの3年間は基本的には内発的に進めなければいけない。内発というのも、注意しなければいけないのは市町村単位というよりも、市町村よりもその先のコミュニティ単位です。住民自らが自分たちの周辺の方たちと協力をしながら復興を進めていく。立ち位置が変わります。今までは、外から来た方が自分たちを主語にしてきましたが、これからは変化します。

主語は地元の方々になります。例えば、大船渡の赤崎地区の方々が「養殖を再開しようとしている」のをRCF復興支援チームが手伝っていますという形にならなければいけない。今までは各NPOが自分たちはこれをやっていますという言い方でしたが、これからはそれを続けてはダメですね。

私がまず思うのは、どこから手をつけていいんだと話をする際に、外の人間が「これやらなきゃ」「あれやらなきゃ」、そういう発想はNOだと。そうではなくて、地元の方々が何をするべきかということを考えていく。考える為の材料が足りなかったら提供する、あるいは、何か考える人が足りないのであれば手伝うというのはOK。決定をするのは少なくとも地元の方でないといけません。そのように我々自身がマインドを変えなきゃいけない。「どこから手をつけていいのか」という視点自体が自立を損ねてしまう可能性があります。

「自分たちで立ち上がろう」という言葉を使ってもらえないことは支援をしている側の失敗

-現地の声として、どのような声が今は多いですか?例えば短期的に1年くらいのスパンでみるといかがでしょうか。

現地の声は二分されると思います。「自分たちをある種見捨てたのか」という声と「もうそろそろ全国の方々にお世話になっているのだから自分で立ち上がらなければならない」という声が既に出てきています。地元の方々が自分たちで・・・という声が段々拡がっていかなければいけないですよね。そうでなければ、支援をしている側の責任です。

だから難しい、やたらめったら地元の方が何もしなくてもいいように支援をしてしまったら、いつまでも支援をしてくれという風になってしまう。そうならないように、関係を築きながらも、地元の方が自立をするように支援をしていって、結果として「自分たちで何とかしていけそうです、むしろ東京で地震があったら手伝いますよ」と言えるようになってもらうというのが大事です。地元の方々を助けましょうというメンタリティではダメで、そうではなく、地元の方々の尊厳を取り戻し、対等のパートナーになっていけるかどうかが勝負だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です